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【体験談】特養化したグループホーム。理想と現実のギャップに嫌気を差し、退職

本記事では、グループホームで3年間働いていた男性の体験談を紹介しています。

本来のグループホームの理念とかけ離れた施設での厳しい状況が理解できる内容となっています。

ぜひ参考にしてみてください。

グループホームで3年間働いていた男性のプロフィール

私は福島県在住で、高齢者介護に携わった経験年数は10年、介護福祉士・認知症ケア専門士の資格を保有しています。

グループホームでは3年間働いていました。

私が働いていたグループホームは、9床が2ユニットのグループホームで従業員は20名ほどでした。

年収に関しては、およそ240万円ほどで、処遇改善手当は月1万5千円ほどで、基本給14万円ほどでした。

交通費は10000円で、資格手当は10000円です。住宅手当はありませんでした。

ボーナスは夏と冬の計2回です。合計、基本給3.0ヵ月分で、昇給額は3年目で3000円でした。

また、毎日2~3時間ほどのサービス残業がありました。

グループホームで働いて、理想と現実のギャップに気づかされた。

25歳のときから約3年間勤務していたグループホームでの話です。

グループホームとは簡単にいうと認知症の高齢者が少人数で共同生活をする施設です。

グループホームは、特別養護老人ホームや老人保健施設との違いは、認知症ケアに特化した専門職員の支援を得ながら、料理や洗濯、買い物や畑作業など、認知症になっても出来る限り自宅にいたときのような生活を送れるよう支援する施設になります。

また、少人数で生活することで、職員や他の利用者と良い関係性を築き、楽しみのある生活を送りながら認知症の進行を遅らせることを目的としている施設です。

私は当時、介護の職業訓練学校在校中にグループホームと特別養護老人ホームから内定を頂いていました。

卒業ギリギリまでどちらに行くか迷いましたが、畑作業や料理など日常の生活を通して介護を提供するというグループホームの方針に惹かれ、そこで働くことを選びました。

しかし、いざ入社してみて、私はグループホームの理想と現実のギャップの差にとても驚かされました。

まず、入居している9人の利用者のうち要介護4以上のほぼ寝たきりの利用者が7人を占めており、グループホームの平均介護度が4以上と重度化していました。

本来、グループホームの在り方として、要介護1~2程度の介護度の低い利用者を受け入れ、介護職員の介助を受けながら自分で生活を送れるよう支援をする。

身体状態が進行し介護度が高くなってしまった場合は、状態にあった施設に転居していただくのが望ましいとされていますが、私が働くグループホームでは介護度が高い利用者が大半を占めていました。

寝たきりの利用者が大半を占めるということは、それだけ身体介助の割合が多くなるということになります。

それに加えて、衣類の洗濯や部屋の片づけ、物品や食材の買い出し、また、朝昼夜の食事の調理まで全て介護職員が行うなど、介助以外の労働が多くを占めており、介護職員というより家政婦のような労働内容でした。

介護のレベルも低く、一日中ベッドで寝たきりにされていたり、逆に疲れ果ててクタクタになっているにもかかわらず、車いすに朝から晩まで座らされていたり、時間が無いとの理由でろくに食事も食べさせてもらえなかったりなど、

そこは本来のグループホームの在り方とは程遠い、最低限の身の回りのお世話をするだけの本当に質の悪いグループホームでした。

畑作業や料理、趣味など利用者さんと一緒に活動することで、心身の健康を支援する介護サービスとはかけ離れた環境でした。

本来の目的とかけ離れたグループホームに嫌気を差し、退社

グループホーム管理者に、「介護度が高い利用者が多く重度化してしまっている現状は、本来のグループホームの在り方としてどうなのか?たとえ認知症になってしまっても、支援を受けることで できる限り身の回りのことは自分で行い安心して生活することができる場を提供するのが、グループホームの務めではないのか?」

ということを尋ねてみましたが、帰ってきた答えは、グループホームとしての理念や利用者を尊重した答えではなく経営問題についてでした。

介護度が高い利用者を受け入れ、国から少しでも高い報酬をもらわないとこのまま経営を続けることは難しい。

また、たとえ介護度が低く、比較的自立している利用者を受け入れたとしても、その人が病気などで体調を崩し自立した生活を送れなくなったら退所していただくという考えは、家族や本人にとってあまりにも残酷な宣言で申し訳ない、というのが正直な答えでした。

確かに国からの介護報酬は下がり続け、以前のように経営することはとても困難な時代だと思います。

また、少子高齢化が加速する中で、介護施設の入居希望の待機者数は数十名、施設によっては数百名いる時代です。

グループホームを追い出されても次に行く当ては簡単には見つかりません。

働く側も入居する側もきれいごとだけでは生きていけない時代に突入したのかもしれません。

しかし、それでもグループホームの理念に期待を込めて相談に来るご家族は後を絶ちません。

自分の両親が認知症になってしまい、それを簡単には受け入れられず、認知症ケアの専門職員が集うグループホームに来て「ここなら認知症になってしまった母(父)でも、一人の人間として受け入れられ安心して生活することができるんですよね?」とすがるように相談にこられる家族は少なくありません。

中には、時間や人手がない状態でも本来の意義にそって懸命に取り組んでいるグループホームもたくさんあるとは思いますが、私が働いていたグループホームのように日々の業務だけに追われてしまい、認知症ケアはおろか、最低限の介護を提供することも困難な事業所も少なくはありません。

私は働く側の人間として、この理想と現実のジレンマに悩み、3年でこのグループホームを退職することをにいたりました。

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