『利用者さんから嫌われる行為ってどんなことがあるの?』
『善意のつもりなのに、利用者さんに怒られた』
介護士なら誰でも利用者さんを怒らせてしまった、経験はあるとおもいます。
善意のつもりが実は利用者さんを不快にさせている、ということは良くあることです。
そこで本記事では、元・現役介護士8人に『利用者さんに嫌われる意外な行為と職員』について、リアルに記していただいた内容をお伝えします。
この記事を読んでいただくと明日から利用者さんに対する接し方も変わり、ストレスが少し減るかもしれません。
ぜひ参考にしてみてください。
もくじ
意外に共通している『利用者さんから嫌われる介護職員』
この記事では、クラウドサービスを通じて、元・現役介護士さん8人に質問した答えと解決策をまとめています。
介護士歴が浅い方からベテランの方まで、貴重な内容となっています。ではどうぞ。
1・男性 介護職5年(ショートステイ勤務)
利用者を子ども扱いしてしまう
これは特徴として介護保険が始まった直後2000年前後から介護に携わってきた、いわゆるベテラン職員にありがちだと思います。
具体的には利用者に対して敬語を使わない、〇〇ちゃんなど名前やニックネームで呼ぶ等が挙げられます。
こういった行動をとる職員は、それ自体を悪いものだと思っていないことがあります。
親近感をもって接している・こっちの方が利用者にとって良いと。
しかし、利用者からしてみれば、わざわざお金を支払ってきたのにもかかわらず、敬意を払われないのは嫌なことだと思われます。
そもそも利用者は職員よりも年配の方が多く、人生の先輩として丁寧に接するべきです。
対策としては、職員が集まるようなカンファレンスなどで、接遇のマニュアルを協議し全員が参加あるいは閲覧して作成。
その上でルールを守れていない職員については管理職や生活相談員が面談を行い徹底させる。
ベテラン職員については、なぜそうしなければならないのかを明らかにして説明し同意を求める。
また、継続的にサービスマニュアルについての研修を行い、周知徹底をはかる。
これらの事が遂行できれば、利用者から嫌われる介護は減少すると推測できます。
2・男性 介護職歴4年(特別養護老人ホーム)
現在は介護職から離れています。
過去に働いていた介護施設は特別養護老人ホームです。
利用者さんから嫌われる行為はいくつかあります。
まず一つ目は、利用者さんの現状を理解できていない介護士です。
これは、わたしが以前働いていた職場にもいました。
利用者さんが例えばトイレに行きたい仕草を見せたときに、それに気づかないでいることがありました。
その時は、すぐにわたしが気付き、利用者さんをすぐにトイレに連れて行きました。
介護士として働く上では、一人一人の利用者さんの性格や行動を理解することがとても大切だと感じています。
少しの異変にすぐに気付けない介護士は利用者さんから嫌われてしまいます。
実際、その職員の方も利用者さんの中では話題になっていて嫌われていました。
利用者さんがよりよく快適に生活できるように支援するのが私たち介護士の仕事だと私は思います。
また、少しの異変に早く気づくことにより大事故を未然に防ぐことができます。
また、言葉遣いもとても重要です。
いくらお年寄りとはいえ、私たちの人生の先輩です。
言葉遣いが悪いと利用者さんも嫌な気持ちになります。
ですから私自身も働いている時は、できるだけ敬語を使うよう意識して仕事をしていました。
最後に重要なこととして、利用者さんと接する時は常に笑顔でいることが大事です。
笑顔を見せると自然と利用者さんも笑顔になり、自分を頼りにしてくれることが多くなりますし、身近な話題からいろいろコミュニケーションをとることができ信頼関係がうまれると感じます。
3・男性 介護職歴14年、(小規模多機能型居宅介護)
利用者様から嫌われる介護者の特徴はまず接遇の悪い職員です。
介護は生活の援助をすることが仕事ですが、相手とのコミュニケーションや信頼関係の構築がとても大切です。
職員自身は悪いと思っていないことが多く、言っていることも良かれと思って言っていることが多いですが、その言い方や態度などで相手の印象は大きく変わり親切と思われる職員もいる一方で嫌われてしまう職員もいます。
上から目線で言う物言いだったり、とても指示的に話をしたりと、本来は施設にとって利用者様はお客様にあたり、また目上の方になることが多いです。
そう言う方達に前記のような態度をとってしまうと当然嫌われてしまいます。
そのような職員は必ずしも若いからとかやる気がないからと言うわけではありません。
年配のベテラン職員やとてもやる気のある職員でもそのような人はいます。また仕事が出来る、できないで区別されるわけではありません。
その職員の持っている性格や考え方、環境などで変わってくるのかなと思います。
大体の職員はきちんと話をすれば気付いてくれますが中には頭ではわかっているがカッとなってそう言う態度が出てしまう職員もいます。
その人の向上のために嫌われるようなことを言わなくてはいけないケースもありますが、上手にコミュニケーションをとりお互いが気持ちよく接することができるようにできればいいと思います。
4・女性 介護職歴1年(ショートステイ)
過去に特別養護老人ホームに併設されたショートステイにて働いていました。
利用者さんから嫌われる介護士は、介助する時に介護士のペースで行ってしまう人だと思います。
ショートステイ勤務だったので、普段は在宅で生活されている介護度が低い方や意思疎通がある程度取れるご利用者が多かったので、世間話の中でご利用者から他の介護士に対する不満を聞くこともあったのですが、
「いきなり足を上げられたから痛かった」
「急に動かされたから怖かった」
というような不満をよく聞きました。
介護の仕事は人手不足でいつも忙しいし、複数のことを同時並行で行わなければ仕事をこなすことができない場合が多いと思います。
そうした迅速さを求められる労働環境からご利用者への必要な声掛けがつい抜けてしまう場合があることも理解できます。
実際、時間に追われて慌ただしく介助してしまい、ご利用者に怒られてしまった経験が私もあります。
でも、身体が不自由で自力で動作ができないご利用者にとっては、介助をしてもらうことは自分の体を他人に預けることであり、1回でも声掛けがなく急に動かされたり、触られたりすることは想像以上に恐怖を感じるようです。
つい忙しさから介護士のペースでテキパキと介助してしまいがちですが、ご利用者のペースで介助する事が大切だと思います。
対策としては、何か介助をするときにはその都度声掛けをすることを徹底すると良いと思います。
例えば、ベットでの介助の際に少しご利用者の足を動かすだけであっても触る前に
「足を動かしますね」
と声をかけるなど、少ししつこいくらいにその都度、声をかけるとご利用者もこれから起こることに対しての心の準備ができるので良いと思います。
とても基本的なことですが、大切だと思います。
5・男性 介護職歴13年(介護老人保健施設)
利用者さんに嫌われる介護職員の特徴は2つあります。
1つ目は、わかりやすく利用者さんに対して厳しい対応、心ない対応をする介護職です。
例えば、ナースコールがなっても無視したり、「何の用?」とチンピラのような威圧感たっぷりの口調で利用者さんをビビらせて用事を言えなくします。
それでも用事を言われた利用者さんに対しては、大声で怒鳴ったり、手荒い対応をします。
こういった介護職への対策としては、利用者さん(または御家族)からクレームが入るので、その都度、口調や言動について改めるよう注意します。
このパターンの介護職は乱暴な部分はあるにせよクレームが入り、介護職自身の対応の悪さが明らかになるので救いようのある介護職です。
一方で厄介なのが、表面上は大人しそうで口調も丁寧なのに、利用者さんを見極めてクレームが入らないように手を抜いたり、冷たい対応をする介護職です。
例えば、クレームを入れる利用者さんには丁寧に対応するので、一見評判が良いのですが、認知症などで発言の信ぴょう性が曖昧な利用者さんに対しては、ナースコールを無視したり、
丁寧な口調で、
「今、別の利用者様の対応をしているので、しばらく行けません。お待ち下さい。」
と丁寧な口調で応答し続けて、結局その場には行かず対応もしません。
深刻な虐待をしているケースもあります。
このパターンの介護職は、その悪行が誰かに密告されたとしても
「別の利用者さんの対応をしていてできませんでした。」
「私はそんな、ひどいことはしません。」
など言い訳をして、しらばっくれて証拠も残さないため注意できません。
そのまま野放しになっている場合が多いです。
私の経験上、一部の利用者さんから評価が高い介護職員には真の嫌われ介護職が隠れているので注意が必要です。
6・男性 15年(特別養護老人ホーム)
嫌われる介護は、利用者さんの話しを聞き流してしまう。
利用者さんは色々と話しをしたいと思っている方が多いはずです。
そんな利用者さんの話しを聞き流していると
「話しを聞いてくれていない」
と判断され嫌われます。
希望していることや要望を言ってもなかなか聞いてもらえないなんて、利用者さんからすれば「嫌な人」と感じるのは当然です。
言葉や態度が乱暴な介護士は利用者さんから嫌われます。
また、敬意を持っていないような言動も嫌われる要素です。
自分よりも目上の利用者さんに対し、いわゆるタメ語で話しをしたり、雑な扱いをするのは介護士としてやってはいけない行為です。
利用者さんに対し思いやりを持って接しなくてはなりません。
これらの対策として、親身になって話を聞いて、要望に答えられるかどうか態度で決まります。
どんな利用者さんでも人生の先輩ですので丁寧な言葉使い、低姿勢で相手の立場に立つことで信頼関係が築いていくのではないでしょうか。
利用者さんも心を開いて何でも話してくるでしょう。
決して邪魔者扱いにしてはダメです。
思いやり、素直な気持ちをもって同じ目線で話をして、利用者さんから喜ばれる介護士になっていきましょう。
7・女性介護職歴3年半(介護付き有料老人ホーム)
ベテランのパートさんで、いつもハキハキと大きな声でご入居者様とフレンドリーに接せられる方がいらっしゃいました。
当時は新人だったため、ご入居者様と親しくお話ができて、すごいと感じていました。
しかし、ご入居者様と2人きりの介助をしていた際に、
「彼女を入れないでほしい」
と複数のご入居者様からご相談を受けました。
そのパートの方は、ご入居者様のご家族が会いに来られた際にも間に入って来ることもあったそうで、とても困っているとも伝えられました。
やはり、どれだけ長く介護していても、ご入居者様とは仕事で結ばれた他人なので適切な関係を築いていくことの大切さを感じました。
ずけずけとプライベートなことにも踏み込んでくる介護士はご入居者様に嫌われます。
ご入居者様から口を開かれる場合は別ですが、介護士側から踏み込むのはタブーです。
介護の仕事はご入居者様との信頼関係がとても大切で、会話から信頼関係は芽生えます。
そのため、ご入居者様が嫌がる話題は避けるべきだと感じます。
そのパートの方は新人だった私からしてみれば大先輩だったため、遠回しに伝える勇気も出ず、施設長にやんわりと相談しました。
その後の研修会で、プライバシーの配慮が、いかに重要かという講義を介護士全員で受講し、その後はご入居者様からご相談を受けることはなくなりました。
8・女性 介護職歴(介護付有料老人ホーム、訪問介護のサービス提供責任者)
有料老人ホーム勤務5年、現在はサービス付高齢者住宅併設の訪問介護事業所でサービス提供責任者を3年勤めています。
どこの事業所も利用者に嫌われる介護士がいた記憶があります。
有料老人ホームでは介護度の高い方が多かったのですが、そういった利用者にケアの仕方が雑だったり、声かけの仕方が乱暴だったりする介護士は職員はもちろん、介護度が低い利用者がそのケアの様子を見て
「あの人には絶対に世話をされたくない」
と噂をしていました。
周りの職員やリーダーはケアの仕方の改善をさせるために同行をしたり、ホスピタリティーの研修などに行かせたりしていましたが、そういった時はきちんとこなしていたようです。
やれるのにいざケアさせると手を抜く事に、なおさら不信感を持たせられる介護士でした。
訪問介護事業所では基本的にケアは登録ヘルパーにお願いしていますが、ヘルパーにはクレームがほとんど来ません。
逆にいつも同じサービス提供責任者に対するクレームが来ることが多かったです。
その職員はアポも取らずに訪問しようとしたり、契約しているサービス時間をケアマネを通さずに変更してしまう事も多く、他の職員が尻拭いをしていました。
もちろん本人にクレームがあったことを伝え、今後の対応を気を付けるように注意を促しても言い訳ばかりで改善してくれることがありませんでした。
どちらの職員にせよ、自分がやっていることが利用者にとって悪いという自覚がないので、対策を講じるのも大変でした。
まとめ
いかがでしたでしょうか、どの介護士さんの答えも非常に興味深い内容で、勉強になったのではないでしょうか。
一部の悪質な介護職員を除いては、嫌われる行為は共通するところがあります。
利用者さんに嫌われないために注意することは、
『利用者さんに敬語で接する』
『介助をするときは、声かけをし丁寧に行う』
『利用者さんのプライバシーに深く踏み込まない』
『一部の利用者さんと仲良くなりすぎない』
以上の行為が注意するところだとおもいます。
もし、できていないのなら、意識して直していくとよいです。
私は10年以上真面目に勤務しこのほど転職しました。
経験もあるのである程度時間内にキチンと仕事をこなしています。
上司はそんな私を気に入らないのか、明らかに仕事を詰め込んできます。
健康で体力もあり60になりましたが、仕事のできない若い人には甘く、しわよせをこちらにさせてきます。明らかに私の仕事でない事をさせられ遅いと評価を落としています。
本部に相談制度はありますが、迷っています。
いづらくなるだけですしね。
諦めて我慢するか、他を当るべきか。
仕事をしながら介護職に特化した転職エージェントを利用するのもよいかもしれません。
また離職率の低い施設に就職するため、厚生労働省の介護サービス情報公開システムで施設情報を調べるとよいでしょう。